アドレスV125Sパワーアップ計画2(マフラー交換・燃調)

 

前回のカムシャフト・ピストン交換に引き続き、アドレスV125Sパワーアップ計画を進めていきます。今回はマフラー交換と、燃調セッティングです。

 

 

マフラー

今回使用するマフラーは、M-FACTORYのDAGGERマフラー。高回転での伸びに特化したマフラーで、排出ガス規制と騒音規制をクリアしたJMCA認定品。

音量は純正とほぼ同じです。以前マフラー交換テストで使用した、SPタケガワのサイレントスポーツマフラーよりも更に静かです。

 

 

 

サブコン

燃調セッティングに必要なサブコンですが、これは様々なタイプのものが販売されています。今回はディルツジャパンのエニグマ※1というサブコンを使用してセッティングしたいと思います。

コチラはスマートフォンで通信して設定変更できるタイプで、エンジン回転数やスロットル開度毎※2に細かく燃調を設定が可能です。また、走行中に燃料MAPの読み取り位置が分かるリアルサーチ画面を表示できます。

 ※1 アドレスV125S用は燃料の増量のみ(減量不可)
 ※2 エンジン回転数は500回転、スロットル開度は5%毎に設定可能

 

 

 

空燃比計

燃調セッティングの為に、空燃比を計測する必要があるのですが、空燃比計ならなんでも良いワケではありません。空燃比計には、純正のO2センサーを利用するタイプの安価なものがありますが、このタイプの空燃比計では正確な燃調セッティングはできません。

O2センサーは、排気ガス中に含まれる酸素に反応して電圧が生じる素子が使用されており、排気ガス中に含まれる酸素が多い時には電圧が生じ、酸素が少ない時には電圧が発生しません。この電圧のON・OFFをECUで検知し、空燃比(濃い・薄い)を判断して燃料の増減を行うことで、理論空燃比付近を維持するよう制御を行ないます。つまり、O2センサーを利用するタイプの空燃比系では、燃料の濃い・薄い しか判断できないのです。サブコン等で燃料を増減し、空燃比が濃いまたは薄い状態に偏った状態の時、正しい空燃比を出力することは不可能ということです。

 

 

一方で、ワイドバンドセンサーが付属するタイプの一般的な空燃比系というのは、排気ガス中の酸素量を元に、理論空燃比からの偏差量を計測する仕組みになっていますので、空燃比をリニアに出力することができるというワケです。燃調セッティングを行う際は、このタイプでなければ上手くいきません。今回はSPタケガワ製の空燃比系を使用します。

 

 

空燃比系を使用する為に、マフラーにセンサー取り付けボスを溶接しますが、その前に溶接する位置を決めなくてはいけません。

 

 

センサーボスの取り付け位置は、排気量が大きいほど燃焼室から遠い位置に取り付けることになりますが、燃調室から遠すぎると正しく計測できず、近過ぎると排気圧や排気温度の影響でセンサーが破損する可能性があります。位置が決まったら、エギゾーストパイプに穴を開けて溶接します。

また、センサーボスの取り付け角度は、水平よりも上向きにする必要があります。水平よりも下向きにすると、エギゾーストパイプ内が結露したとき、水分が溜まってセンサー故障の原因となります。

 

 

実際の取り付け位置ですが、メンテナンスリッドを外してアクセスできる位置にしました。エンジンを含めたスイングユニットが動いても、フレームと干渉しないよう、極力エンジン側に寄せた位置です。少し脱着し難い場所ですが、ここ以外だとタンデムステップ付近しかないので、使い勝手や見栄え、また転倒時のことを考慮して、この位置となりました。

ちなみに、空燃比センサーは、O2センサーと違って寿命が短かいので、燃調セッティングの時だけ取り付けることが望ましいです。普段は取り外して、代わりに専用のボルトを取り付けてフタをしておきます。また、エギゾーストパイプは700~800℃に達する為、焼き付き防止剤を塗布しておかないと、カジりついて外せなくなってしまいます。

 

 

 

燃調セッティング

セッティング方法ですが、まずハンドル付近に空燃比計とスマートフォンを設置し、スマートフォンで燃料MAPのリアルサーチ画面を表示します。走行中にスマートフォンと空燃比計を、アクションカム等で一緒に撮影し、スロットル開度を少しずつ上げながら走行します。

撮影した動画を元に、燃料MAPのエンジン回転数・スロットル開度で示される各領域における空燃比を確認して、燃料を増減していきます。スマートフォンは、光の反射などで見えにくい場合が多々ありますので、スクリーンレコーダーなどのアプリを併用して、あとで動画編集ソフトで合体すれば、更にセッティングしやすいと思います。さて、肝心の空燃比についてですが、理論空燃比14.7に対して、最もパワーが出る空燃比は13.0付近です。まずは極端に濃い・薄い箇所を調整して、全体的に13.0~14.0くらいにまとめればOKです。あとは走行フィーリングと空燃比を確かめながら、燃費を考慮して徐々に減量するといった修正をすれば良いでしょう。

 

 

プラグの焼け具合もチェックしておきます。全域で空燃比が13.0~14.0程度になるように、ざっくりとセッティングしたときのプラグの焼け具合はこんな感じです。特に問題は無く、良好な焼け具合です。

プラグの焼け具合は、中心電極と碍子の奥の方まで白またはキツネ色ならOK。プラグが新しい場合は白っぽくなりますが、良好な状態で使用しているうちに次第にキツネ色に変わってくるので、燃焼状態としては同じです。一般道を走行する車両ならば、接地電極は多少黒っぽくても大丈夫です。燃料が薄すぎる場合は、中心電極と碍子、接地電極が全体的に真っ白になっていたり、デポジットの付着、電極が溶解し始めているなどの症状がでます。これは燃調だけでなくプラグの熱価が低すぎる可能性も考えられます。

 

 

一方、燃料が濃すぎると全体的に電極が真っ黒になります。カーボンの付着が多くなると、失火の原因となります。

 

 

 

O2センサー補正

燃調セッティングの際は、その車両にもともと備わっているO2センサーのフィードバック補正を考慮する必要があります。アドレスV125Sの場合は、以下の回転数とスロットル開度の領域において燃料の増量を行っても、しばらく走っているうちに補正されて元に戻ってしまいます。

 ・1000~2000 rpm アクセル開度15%まで
 ・2000~3000 rpm アクセル開度25%まで
 ・3000~4000 rpm アクセル開度30%まで
 ・4000~4500 rpm アクセル開度35%まで
 ・4500~5000 rpm アクセル開度40%まで
 ・5000~6000 rpm アクセル開度45%まで
 ・6000~6500 rpm アクセル開度40%まで

これを防ぐためには、O2センサーからECUに送られる信号を疑似信号に置き換えるパーツが必要になります(今回使用したサブコンには、O2センサーのフィードバック補正を停止する機能が備わっています)。ただし、O2センサーのフィードバック補正は、車両の状態に応じて勝手に燃調するという優れた機能ですので、大幅に増減する必要が無い場合は、この領域には手を加えないというのも一つの方法かもしれません。

 

続く
アドレスV125Sパワーアップ計画3(加速テスト・駆動系セッティング)

 

 

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