車検の際、検査ラインでヘッドライトテスターを使用して光軸検査を行います。このとき1灯式か2灯式かを事前に選択します。
設定により検査方法が変わるので、検査を受けるバイクがどちらに該当するのか知っておく必要があります。
1灯式・2灯式の定義とは?
さて、突然ですが ここで問題!次の4車種は、車検時のヘッドライト検査選択において、どちらを選択すればよいでしょうか?
①FZ6 FAZER S2(ヘッドライト 左右2個)
②GSX-S1000 (ヘッドライト 1個)
③ZX-10R (ヘッドライト 左右2個)
④GSX-R1000 (ヘッドライト 縦2個)
正解は …
①FZ6 FAZER S2のみ2灯式※1 それ以外は1灯式です。
光軸検査でチェックするのはハイビーム点灯時の光軸です。ロービームは検査しません。検査を受けるバイクのハイビームが1灯か2灯か?ということです。デュアルヘッドライトだから2灯式という単純な意味ではないので注意しましょう。1灯式か2灯式かの判別は、ハイビーム点灯させれば簡単に見分けがつきます。また、ヘッドライトバルブの種類によって、H4タイプのように1つでハイビームとロービームの切り替えができるものや、H7等のように切り替えできないタイプがありますので、何らかの理由により現車で確認できない場合、全てのヘッドライトバルブの種類が分れば、判断材料になると思います。
※1 FZ6 FAZER S2は、左右2個のデュアルヘッドライトですが、片側がH4バルブの為、ロービームとハイビームのいずれも点灯し、もう片方はハイビーム時のみ点灯します。したがってハイビームは2灯式となります。
比較的新しい車種は、ヘッドライトが2個(左右または上下)でも片側はロ―ビーム常時点灯で、反対側がハイビーム時しか点灯しないよう使い分けしている車種が多いです。上記の例だと③ZX-10R、④GSX-R1000がこれに当たります。これは光軸検査においては1灯式となります。このような車種は、ハイビーム点灯時もロービーム側は点灯したままなので、紙やテープ等でロービーム側を隠しておかないと、ロービームの光が影響して正しく光軸の検査ができないことがあります。検査前に、ロービーム側を紙やテープ等で隠しておきましょう。自走で行く場合は、帰りに外すのをお忘れなく(笑)
比較的古い年式のデュアルヘッドライト車種では、2個のヘッドライトがロービーム・ハイビーム共に同じ動作をするタイプもあります。これは2灯式になります。2灯式の場合は、ハイビーム1灯ずつ検査しますので、反対側を隠して2回検査します。検査ラインにヘッドライトを覆う為のカバーが常備してありますが、自分でライトを隠す紙やテープを準備しておく場合は、ロービームを隠すのとは違い、直ぐに張り付け・張り替えできるものを準備しましょう(軽く隠れる程度で構いません)。
その他、ヘッドライトが縦2個や、左右に2個ずつ(計4個)配置されているタイプも考え方は同じです。ヘッドライト光軸検査においてはハイビームが1灯式か2灯式かのいずれかになりますので、ハイビーム時にどのように点灯するかで判断します。左右2個ずつ(計4個)ヘッドライトがある場合も、常時ロービームの箇所は検査の邪魔になるので同様に隠しておきましょう。
まとめ
上記の内容を踏まえた光軸検査のポイントは…
- 光軸検査では、ハイビームが1灯式か2灯式かを選択する
- 常時ロービームの箇所は検査の妨げとなる為、隠しておく
- 2灯式は、それぞれ反対側を隠して2回検査する
車検当日、ヘッドライトの光軸検査で慌てることのないよう、ヘッドライトの仕様を事前にチェックしておきましょう。
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