車検の際に、検査ラインでテスタにタイヤをのせてスピードメーター検査を行います。検査を受けるバイクが前輪と後輪のどちらで車速を検出しているかを事前に選択しますので、そのバイクの仕様を知っておく必要があります。
ただ、難しいものではなく、以下の3つのパターンに該当するものが殆どだと思います。
①スピードメーターギア・ケーブルが付いている
前輪にスピードメーターギアが付いており、スピードメーターまでケーブルが伸びているタイプ。当然ですが、これは前輪で車速を測っています。古いバイクに多く用いられている検出方法です。
②ドライブスプロケット(エンジン側スプロケット)のカバー等に車速センサーが付いている
ドライブスプロケット(エンジン側スプロケット)のカバー等に車速センサーが付いている車種は、スプロケットの回転数から車速を割り出していますので、後輪検出となります。
③ホイールに車速センサー(車輪速度センサー)が付いている
これも当然センサーが付いている側で車速を検出しています。ABSやトラクションコントロール搭載車種で、両輪にセンサーが付いている場合は、前輪・後輪どちらで車速を検出しているのか調べてみないと判断できません。調べ方は、スタンド等で後輪を浮かせて、メインキーをON(またはエンジン始動)してから後輪を手で回してみます。スピードメーターが反応すれば、後輪検出です。逆に反応しなければ前輪検出となります。前輪もスタンドで浮かせて同様に調べれば、より確実です。
※仕様によっては、この方法で確認できない可能性もあります。
ちなみに、上記②のタイプは、ドライブスプロケット(エンジン側スプロケット)の回転数から車速を割り出している為、ドライブスプロケット(エンジン側スプロケット)やドリブンスプロケット(リアホイール側スプロケット)の交換により、ギア比が純正と異なる場合は、実際の車速とスピードメーターが表示する車速にズレが生じてしまいます。
一方、①と③のタイプは、タイヤ外径が変わらない限り車速のズレは生じません。同サイズのタイヤならメーカーによる外径の差は僅か(17インチタイヤで1㎜~2㎜程度の差)です。むしろタイヤ摩耗による影響の方が大きいかもしれません。ただし、スピードメーター検査は許容範囲がけっこう大きいので、前者の場合でも極端なギア比変更でなければ問題ありません。
年式による測定基準の違い
スピードメーター検査において、もう一つ押さえておきたいポイントがあります。2006年12月31日以前に製造されたとバイクと、それ以降に製造されたバイクでは、スピードメーター検査の測定基準に少しだけ違いがあります(2006年=平成18年)。それぞれの測定基準(誤差の許容範囲)は以下の通りです。
2006年12月31日以前に製造されたバイク(旧基準)
スピードメーター表示が40km/h の時、実測値 29.1~44.4km/h
2007年 1月 1日以降に製造されたバイク
スピードメーター表示が40km/h の時、実測値 29.1~42.5km/h
2006年12月31日以前のバイクは、前輪 or 後輪検出の選択時に、旧基準速度計ボタンも押して正しく測定しましょう。
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