バイクユーザー車検前の点検整備

 

ユーザー車検に向けて点検整備を行います。点検整備の内容については、車検の際に提出する点検整備記録簿の項目に従って実施すれば良いと思います。今回はスズキ(GSX-S1000)のメンテナンスノートに添付されている点検整備記録簿を使用します。点検整備記録簿は、ネットでダウンロードするもよし、運輸支局でもらって来るもよし、内容は殆ど同じだと思います。


メンテナンスノートには、各点検項目に対して それぞれ点検方法が記載されていますが、記載されている内容だけでは解り難い項目もあります。今回はそれらの項目について詳しく見ていきます。

 

 

①電気装置
・点火時期
車種によっては、タイミングライトを使用して点検しますが、現在の主流となる無接点の点火方式では、点火時期が狂うことはありませんので、エンジンの廻り方に異常が無ければ問題ないでしょう。

 

 

 

②緩衝装置
・サスペンション連結部のがた、サスペンションアームの損傷
これはスイングアームと、スイングアームピボットの点検です。センタースタンド等でリアタイヤを浮かせて、スイングアームを前後左右に揺すってみて、がたつきが無いかチェック。異常が有れば増し締めで調整します。それでも改善しなければ、スイングアームを取り外して整備する必要があります。

スタビライザーが付いたスイングアームは、チェーンをカットしないとスイングアームが外せない場合があるので、けっこう大変です(^^;)また、スイングアームにクラック(亀裂)等のダメージが無いかも確認します。

 

 

 

③動力伝達装置
・プロペラシャフト、ドライブシャフト継手部のがた
これはシャフトドライブのバイクのみで、一般的なチェーン駆動車は対象外です。ギアを入れ、ホイールを回してシャフト連結部のがたをチェックします。

 

 

 

④エンジン点検
・燃料装置 リンク機構の状態
これはスロットルバルブのリンク機構の点検です。車種によってはタンクを持ち上げないと確認できません。スロットル操作により、リンク機構がスムーズに動くかチェックします。スロットルの遊びが適正であるかも合わせてチェックします。

・CO/HC濃度
これは専用の設備が無いと点検できないので、未実施で構いません。

 

 

 

⑤ばい煙、悪臭のあるガス、有害なガス等の発散防止装置
・ブローバイガス還元装置 配管の損傷
これも車種によっては燃料タンクを持ち上げないと確認できません。点検方法はクランクケースとエアクリーナーボックスをつないでいるブリーザーホースの取り付け状態や、ホースに異常が無いかをチェックします。

ブローバイガスとは?
燃焼室からピストンリングとシリンダの隙間を抜けてクランクケース側に抜け出た未燃焼の混合気等のことです。このブローバイガスはブリーザーホースを通ってエアクリーナーボックスに戻され、新しい空気と混ぜて再び燃焼室に送られる仕組みになっています。

 

・二次空気供給装置の機能
二次空気供給装置装着車のみ。二次空気供給バルブはヘッド部に装着されていることが多いと思います。二次空気供給バルブのエアクリーナーボックス側ホースを抜いて、負圧が発生しているかチェックします。写真では解りやすいようエアクリーナーボックスを外していますが、この点検だけならホースを外すだけで点検できます。

二次空気供給装置とは?
燃焼室から出た排ガスに含まれる炭化水素を除去する為に、排ガスに空気を混ぜて炭化水素を燃焼させるもので、排ガス規制に伴って取り入れられた仕組みです。

 

・二次空気供給装置の配管の損傷、取付状態
二次空気供給バルブの取付状態やホースに損傷が無いかチェックします。

 

 

 

その他、点検整備記録簿の一般的な項目は、メンテナンスノートに記載されている点検方法を参考に実施します。この点検整備記録簿ユーザー車検の際に必要ですので、点検整備の結果を正しく記入しておきましょう。

 

 

ユーザー車検についてはコチラをご覧ください。
バイクユーザー車検 事前準備から当日の手順まで詳しく解説

 

 

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