今回は、バイクのユーザー車検について、事前の準備から当日の手続き・検査の手順等をまとめています。近畿運輸局大阪運輸支局(寝屋川陸運局)での車検手順を紹介していますので、他の検査場では手続きや検査手順が多少異なる場合があります。
1.バイク車検費用
(2024年08月 現在)
重量税
- 初年度登録から13年未満 3,800円
- 初年度登録から13年経過 4,600円
- 初年度登録から18年経過 5,000円
検査手数料(印紙代)
1,800円
自賠責保険料
24か月 8,760円
25か月 8,910円
※1 車検の有効期限が過ぎてしまった場合、役所で仮ナンバー(臨時運行許可ナンバープレート)を申請・取得しないと運転できませんが、仮ナンバーを申請するには自賠責保険に加入している必要がありますので、車検の有効期限と自賠責保険の満了日が近い場合は25か月にしておく方が良いですね。すでに車検が切れているバイクのユーザー車検手順は↓をご覧ください。
→車検切れバイクのユーザー車検手順(仮ナンバー使用編)
以上3点が車検時に必要な費用です。初年度登録から13年未満のバイクなら
3,800 + 1,800 + 8,760 = 14,360円
という事になります。自賠責保険料は250cc以下でも必要ですので、実際は重量税3,800円と検査手数料1,800円のみ!?と考えれば意外と安いですね。ちなみに、バイク屋さんに車検を依頼すれば、点検整備費用や代行手数料など全て含めて、ケッコウな金額になってしまいます。
2.点検整備、カスタムパーツの確認
車検前の点検整備や、カスタムパーツの保安基準適合等については以下の記事で詳しく解説しています。
・バイクユーザー車検前の点検整備
・バイクの定番カスタムパーツ車検適合確認
3.車検の予約
国土交通省の自動車検査インターネット予約システムで車検の予約を実施します。初めて利用する場合はアカウント登録を行って下さい。登録の際にはメールアドレスが必要になります。車検の予約は画面の指示に従って選択・入力するだけなので簡単です。選択・入力する内容は下記の通りです。
- 受験検査場 (全国の検査場から選択)
- 検査種別 (継続・新規・構造変更などから選択)
- 検査車種 (二輪車を選択)
- 検査予約日 (車検を受けたい日付を選択)
- 検査時間 (午前・午後などを選択:検査場によって異なる)
- 自動車登録番号または車両番号 (車検証を見て入力)
- 原動機型式 (車検証を見て入力)
- 車台番号 (車検証を見て入力)
予約が完了すると、登録したメールアドレスに予約番号や検査の受付時間などが通知されます。予約番号は車検当日に必要になります。
数日先まで予約が埋まっている検査場もありますので、週間天気予報をチェックしながら早めに予約した方が良いでしょう。
4.車検時に必要なもの
車検当日に必要なものは下記の通りです。
-
- 車検証 (運輸支局で再発行可)
- 軽自動車税納税証明書(役所の税務課で再発行可)
- 自賠責保険証 (現在加入している証書)
- 車検の予約番号(予約システムで通知された番号)
- 点検整備記録簿 ※2
- 車検費用 ※3
- 筆記具(ボールペン)※4
※2 定期点検整備記録簿は車輌のメンテナンスノートに付属しているものを使用すればよいでしょう。また、ネットでダウンロードしたものを使用するか、点検・整備だけ実施しておいて、車検の手続きの際に用紙を購入して、その場で記入してもOKです。
※3 車検の費用ですが、ヘッドライトの光軸検査で不合格となるケースが多いので、近くのテスター屋で光軸調整してもらう為の費用(1500円くらい)も合わせて、少し多めに用意しておきます。テスター屋はネットで検索すればすぐに見つかりますので、事前に場所をチェックしておくと慌てずに済みます。当日の再検査なら追加の検査手数料(印紙代)は不要です。
※4 コロナ禍ゆえ、備え付けの筆記具を使用したくない場合のみ持参してください。
5.事前準備(その他)
これは必須ではありませんが、準備しておけば便利かも!? … という感じです。当日は書類を持ってバイクを移動させる必要があります。都度カバンから出し入れするのは面倒なので、マグネットを取り付けたバインダーを用意しておけば、タンクに貼り付けられるので楽ちんです。風で飛ばないよう磁力が強めのものが良いです。また、タンクのキズ防止の為、磁石の上に厚手のテープを張っておけば完璧。バインダーは100円ショップでも手に入ります。薄くて軽いタイプが良いでしょう。
検査中はヘルメットも必要ないので、ヘルメットを収納できるリュック等があると便利です。ここまで準備できたら、あとは車検当日に雨が降らないよう祈るだけ。日頃の行いが重要です(笑)
6.車検手続き(書類作成)
車検当日は、出発前に灯火類のチェックをしておきましょう。昨日まで異常無かったのに!…なんてこともあります。万が一異常があっても、このタイミングならまだ間に合うかもしれません。
というわけで、灯火類を軽く点検を済ませたら、いざ大阪府寝屋川市の近畿運輸局大阪運輸支局へ。余裕をもって、受付開始時間の1時間ほど前に到着していれば充分です(受付時間は予約時に通知されます)。駐輪場へバイクを停めたら、早速手続きに向かいましょう。
まずは、駐輪場の側に建っている運輸支局庁舎(ガラス張りの大きな建屋)へ。
運輸支局庁舎では、車検に必要な書類を作成します。下図の右側入口から入ってすぐの、ユーザー車検受付窓口へ。
ユーザー車検受付窓口の前に、書類を印刷するプリンタが設置してありますので、タッチパネル式のモニターで自動車検査票・継続検査申請書・自動車重量税納付書の3つを選択し、車検証の右下にあるQRコードを読み取らせて印刷します(操作方法が分からなければ窓口の担当者に教えてもらいましょう)。
以前は全て手書きでしたが、QRコードを読み取らせて印刷した書類には、車台番号や登録番号、受験者名など、ある程度の情報が印刷されます。ちなみに、写真の書類には、既に印紙が貼ってありますが、実際には後の手順で印紙を購入しますので、気にしないで下さい。
書類を印刷したら、入り口の右手奥に書類の記入サンプルが掲示されたテーブルがあるので、サンプルを見ながら、必要事項を記入しましょう(テーブルの配置は変わるかもしれません)。ちなみに、車検の予約番号は自動車検査票に記入欄があります。
7.印紙購入・自賠責手続き
書類の記入が完了したら、次は陸運協会へ向かいます。
コチラでは、検査手数料印紙の購入、重量税印紙の購入、自賠責保険の手続きを行います。入口に近い窓口から順番に手続きをしてください(②→③→④)。②③の窓口で先ほど印刷・記入した自動車検査票と自動車重量税納付書をそれぞれ提出し、印紙を貼ってもらいます。
事前に点検整備記録簿を準備していない場合は、最初の②の窓口で印紙と一緒に購入して、整備内容を記入して下さい。価格は30円くらいです。
最後に提出書類が揃っているかチェックします。
- 車検証
- 軽自動車税納税証明書
- 自賠責保険証(現在加入中の証書と、次の車検まで有効な証書)
- 点検整備記録簿
- 継続検査申請書
- 自動車重量税納付書
- 自動車検査票
すべて揃っていることを確認したら、いよいよ検査ラインへ。
8.検査ライン
書類を持ってバイクを検査ラインへ移動します。二輪車の検査ラインは一番北側です。検査ラインではマグネット付きバインダーが重宝します。また検査中、ヘルメットは必要はありません。
検査ラインへ到着すると、順番待ちの列ができているかもしれませんが、検査の手順がよく分からずに不安な場合は、直ぐに列に並ばず、フェンス際にバイクを停めて、他の人が検査を受けている様子を観察してから列に並ぶと良いでしょう(検査の邪魔にならないように観察しましょう)。
他の人を見ているとわかりますが、最初に排ガス検査がありますので、順番が回ってくる少し前からエンジンを始動して暖めておきましょう。ライン上ではエンジンをかけたままでOKです。
2017年2月(2017年=平成29年)より、エンジン警告灯などが点灯している状態では検査を受けられなくなったのですが、注意したいのはABS等の警告灯です。一度エンジン停止すると再始動後にABS警告灯が点灯して、ある程度の距離を走行しないと消灯しない車種があります。警告灯が消灯しないと検査を実施してもらえませんので、そういった車種はラインにバイクを移動させたら、検査が終了するまでエンジンを停止しないほうが良いでしょう。
『暖機するの忘れてた⁉』とか、『もうすぐ順番が回ってくるけど、まだ手順がワカラン!!』という場合は、一度列から外れて、場内をグルっと1周して再び列の最後尾に並んでも構いません。
①車体の点検
検査ラインの入り口で、ホーンや灯火類の検査、車台番号チェック、車幅の測定などを実施します。検査員に指示された通りに実施すればOKです。特に注意する点はありませんが、手順に慣れていない場合は最初に検査員に伝えておくと良いでしょう。
②排ガス・近接排気騒音検査
排ガス検査は装置の表示に従って、検査用のプローブ(棒状のセンサー)をマフラーに突っ込んで検査します。リプレイスマフラーに交換している場合は排出ガス試験結果証明書やWMTCモード排出ガス試験結果証明書が必要な場合があります。排ガス検査が終了したら、自動車検査票を排ガス検査の記録機に差し込んで結果を印字します。排ガス規制が適用される以前の車種は排ガス検査は実施しません。
近接排気騒音検査は、検査員の指示に従ってスロットル操作を行います(測定機器は検査員が操作)。排ガス規制等についての詳細はコチラをご覧ください。
③テスタによる検査の設定
テスタでの検査前に、車種選択スイッチを操作します。これも検査員が車種や年式を見て操作してくれるかもしれません。前の人の検査が終わるまでは操作できませんので、自分の順番が回ってきたら、対象のボタンを押してください。
スピードメーター検査選択
スピードメーター検査選択は、前輪・後輪のどちらで車速を検出しているか選択します。テスタを使った検査は前輪・後輪の順番に測定するため、この選択によってスピードメーター検査を行うタイミングが変わります。間違えるとスピードメーター検査が実施できませんので注意して下さい。前輪・後輪どちらか分からない場合はコチラをご覧ください。
旧基準速度計
旧基準速度計ボタンは、2006年12月31日以前に製造された車両が対象ですので、対象車の場合はボタンを押します。詳しくはコチラをご覧ください。
ヘッドライト検査選択
ヘッドライト検査選択は、 1灯式のタイプか、2灯式のタイプなのかを選択します。ヘッドライトの数ではないので注意して下さい。これも対象のスイッチを押せばOKです。どちらか分らない場合はコチラをご覧ください。
再入場申告
再検査の場合のみ操作します。不合格となった箇所だけ検査しますので、該当のスイッチを押します。
以降の手順④~⑧はバイクに跨ったまま、前方の電光掲示板(または音声案内)に従ってバイクを操作します。先行して勝手に検査を進めないよう注意して下さい。電光掲示板を見る余裕が無くても、同時に音声案内してくれるので分かりやすいです。また、バイクを前進させるとき以外はギアをニュートラルにしておきましょう。ユーザー車検なら検査員が横について指示してくれると思いますので、難しく考える必要はありません。
バイクに跨り、電光掲示板の表示に従って前輪をテスタにのせます。ギアをニュートラルにしたら、テスタ※での検査を始めます。
※テスタとは・・・床面に設置されている、ローラーのような装置です。この上に前後輪をのせて、スピードメーターや前後ブレーキの検査を行います。フットスイッチは3つありますが、手前が前輪テスト用、真ん中が後輪テスト用、一番向こう側がヘッドライトテスト用のフットスイッチです。
④スピードメーター検査
(前輪検出車種のみ実施 後輪検出の場合は次の手順へ)
電光掲示板の表示に従い、フットスイッチを踏むとテスタが前輪を回し始めますので、バイクのスピードメーターが40km/hになったらフットスイッチから足を離します。
⑤フロントブレーキ検査
電光掲示板の表示に従い、フットスイッチとブレーキ操作を行います。フロントブレーキの検査ですが、リアも同時にブレーキをかけます。シートが高い車種(または身長が低い場合)は不安定になるので、転倒しないように注意して下さい。
フロントブレーキの検査が終わったら、電光掲示板の表示に従って前進し、後輪をテスタにのせて ギアをニュートラルにします。
⑥スピードメーター検査
(後輪検出車種のみ実施 前輪検出の場合は実施済なので次の手順へ)
電光掲示板の表示に従いフットスイッチを踏むとテスタが後輪を回し始めますので、バイクのスピードメーターが40km/hになったらフットスイッチから足を離します。
⑦リアブレーキ検査
電光掲示板の表示に従い、フットスイッチとブレーキ操作を行います。リアブレーキの検査ですが、フロントも同時にブレーキをかけます。シートが高い車種(または身長が低い場合)は不安定になるので、転倒しないように注意して下さい。
⑧ヘッドライト光軸検査
電光掲示板の表示に従い、白線の位置まで前進し、ハイビーム点灯させます。電光掲示板の表示に従いフットスイッチを踏むとヘッドライトテスターがバイクの正面にスライドしてきて光軸検査がスタートします。2灯式の場合は手の届く位置にヘッドライトを覆うカバーが置いてあるので、カバーで片方ずつヘッドライトを覆って2回検査します。光軸の検査で不合格になったら、近くのテスター屋で光軸調整してもらってから再検査に臨んで下さい。
⑨検査結果印字
電光掲示板の表示に従い、前進してライン出口へ。自動車検査票を記録機に差込み、ブレーキ、スピードメーター、ヘッドライト光軸の検査結果を印字します。
⑩最終チェック
検査員が自動車検査票の最終チェックを行います。すべての検査に合格して、ハンコをもらったら終了です。
9.車検証交付
ラインでの検査に合格したら、再び運輸支局庁舎へ移動して、持込検査更新受付窓口 へ書類を全て提出します。この窓口は提出用と受取用の二つに分かれていますので、提出用の窓口へ全ての書類をまとめて提出して、番号札を受け取ります。新しい車検証が出来上がったら大型の液晶モニターに受け取った番号札の番号が表示されますので、受取用の窓口に番号札を渡して、新しい車検証・自賠責保険証・軽自動車税納税証明書・点検整備記録簿・検査標章・自動車検査証記録事項を受け取ります。新しい車検証の記載内容に誤りが無いか確認できれば、全ての手続きは終了です。
車検の手続きやラインでの検査自体は、それほど難しいものではありません。メンテナンスはプロに任せるのが一番ですが、手続きだけでも自分でやれば代行手数料をカットできるのでお得です。車検がネックで250ccに乗っているライダーさんも、ユーザー車検なら大型バイクに手が届くかもしれませんね (´▽` )
ご丁寧に情報ご共有をありがとうございます!
因みにハンドルロック検査は項目に入っておりますでしょうか。
おやさん、コメントありがとうございます。
ハンドルロック検査の有無は、検査官によって異なるように思います。検査したり、しなかったり!? という印象です。ただし、明らかにハンドルロック機構やその周辺に手が加えられた(カスタムされた)車輌であれば、チェックされるのでは?と思います。参考になれば幸いです(^^)
早急にご返信をありがとうございます!
大変参考になります。
今月が車検予定なので頑張ってみます☆
はじめまして。青ゆずと申します。
ユーザー車検の記事、大変詳しく参考になりました。
私も寝屋川でユーザー車検を受けてきました。
記事のおかげでスムースに検査終了しました。
ところで勝手ながら、私のブログにリンクを張らせていただきました。リンク、もしダメなようでしたらお知らせ下さい。
http://inasanohama.blog.fc2.com/
青ゆずさん。
返信が遅くなってスイマセン(^^;) リンクは問題ありません。
V−Strom650XTの車検、無事終了して何よりです♪