ドンツキ対策として有効なスロットル加工です。スロットルのカスタムと言えばハイスロ化が一般的ですが、スロットル全閉から全開までの巻き取り角度が小さくなればなるほど扱い難くなってしまいます。ここで紹介するのはドンツキ等、開け始めのスロットルレスポンスが過敏すぎるという場合のスロットル加工です。
速く走る為にはハイパワー化も重要ですが、スロットルを開け易くすることで気持ちよく走ることが可能となり、結果として速さに繋がることもあります。中間トルクを敢えてカットし、スロットルを全開にし易いよう制御しているバイクもあるくらいですから、ハイパワーの大型車において、スロットルの開けやすさは超重要なのです。
さて、前置きはこれくらいにして本題に入ります。ここではGSX-S1000のスロットルを例に加工してみます。GSX-S1000の純正スロットルの巻き取り径は34mmです。
使用するスロットルは巻き取り径40mmの汎用品です。
これは可能な限り大きなモノを選びます。少なくとも純正の34mmよりも大きいものでなくてはいけません。ただし、大きすぎると純正のスイッチボックスに収まらなかったり、アウターワイヤーの端部とインナーワイヤーが干渉して摩耗しやすくなる等のトラブルを引き起こす可能性があります。
加工のポイントは、巻き取りが始まる位置だけを純正の巻き取り径より大幅に小さくなるよう削ることです。そうすることで開け始めのレスポンスをかなり穏やかにすることが出来ます。加工後はこんな感じです。
『な~んだ、ロースロ化か…』と思うかもしれませんが、そうではありません。巻き取りが始まる部分だけ削る為、スロットルを開けていくにしたがって徐々に巻き取り径が大きくなります。開け始めはロースロですが、途中でオーバーラップしてハイスロに切り替わるようなイメージです。削り方次第でスロットル全開までの巻き取り角度を純正スロットルより小さくすることもできます。今回加工したモノも、純正のスロットルより巻き取り角度が少しだけ少なくなりました。後半はハイスロになりますが、いったんリアタイヤにトラクションが掛かってしまえば、そう簡単には滑りません。大切なのは開け始めです。そもそも大型バイクでスロットルを大きく開けていくのはストレートでないと難しいハズです。私が下手なだけかも…笑
あとは実際に取り付けて、スムーズに操作できるか(スイッチボックス内で引っかかりがないか)をチェックすればOK! 純正と比較すると、かなり開けやすく且つチョットだけハイスロという感じです。深いバンク角からでも躊躇なく開けられます。我ながらいい出来栄えです。自画自賛 (*^-^*)v
注意!引き側と戻し側のワイヤーの長さが均等でない場合、巻き始める箇所が想定よりもズレてしまうということがあります。削る前に現物合わせして、どのあたりを削るかよく確認する必要があります。巻き取り径が小さい部分から巻き始めなければ意味がありませんので要注意です。