アドレスV125Sパワーアップ計画1(ハイカム・ハイコンプピストン)

 

アドレスV125シリーズは、既に生産が終了しているモデルではありますが、人気車種であることからカスタムパーツも豊富なので、今更ながらアドレスV125Sパワーアップ計画と題して、ちょこっとカスタムをしてみようと思います。

原付二種スクーターの火付け役である、スズキ アドレスV100の後継機として2005年に販売がスタートしたアドレスV125。ハイパワーで加速が良い、コンパクトボディで軽くて取り回しが良い、そして低価格と、3拍子揃ったアドレスV125シリーズは、通勤快速の名で人気を博し、販売から3年で10万台を超える大ヒットモデルとなりました。そんなアドレスV125シリーズですが、平成19年排出ガス規制に適応させるために行われたマイナーチェンジ(K9モデル~)によりパワーダウンを余儀なくされ、動力性能が大幅にダウンします。排ガス規制前・規制後のカタログのスペックは…

規制前(K5~K7:CF46A)
・最高出力  11.4ps / 7,500rpm
・最大トルク 1.2kgf・m / 6,000rpm

規制後(K9:CF4EA)(L0:CF4MA)
・最高出力  9.9PS / 7,500rpm
・最大トルク 1.0kgf・m / 6,000rpm

規制前のモデルと比較すると最高出力が1.5馬力も低下していることになります。125ccのバイクで1.5馬力はかなり大きな差です。しかも燃費は悪化、車重も重くなり、おまけに販売価格までアップしたK9モデルが不評であったことは言うまでもありません。その後、外観のデザインを大きく変更して登場したのが、私の愛機アドレスV125S(L0:CF4MA)です。しかし、残念ながら動力性能はK9モデルを踏襲した設計ですので、規制前モデルと比較すると見劣りしてしまいます。そんなアドレスV125Sですが、カスタムによって再び通勤快速の称号を取り戻すことができるのでしょうか?

ということで、少しずつ楽しみながらアドレスV125Sのカスタムを進めていきたいと思いますが、今回アドレスV125Sに投入する予定のカスタムパーツは … ハイカム・ハイコンプピストン・マフラーと、その他もろもろ … です。また、カスタム後に加速テストを実施して効果をチェックしようと思います。それでは、早速作業に取り掛かりましょう。

 

 

 

ヘッド・シリンダ取り外し

カムシャフトとピストンは、エンジンを下ろさなくても交換可能ですので、ヘッドとシリンダに取り付けてある部品と周辺部品を取り外していきます。全体的に写真が見難いです…スイマセン(^^;)

 

外装取り外し
先ずはシートと周辺のカウルを取り外します。

 

 

 

マフラー取り外し
O2センサーのカプラーを外し、マフラーを取り外します。

 

 

 

エンジン温度センサー取り外し
シリンダー側面のエンジン温度センサーを取り外します。

 

 

 

インテークパイプ取り外し
ヘッドとインテークパイプを切り離します。エアクリーナーボックス側も切り離して、DCPとスロットルボディーごと、フレームに固定しておきます。

 

 

 

ブリーザーホース取り外し
ヘッドカバーからブリーザーホースを取り外します。

 

 

 

リアサスのアッパーマウントボルト取り外し
ファンカウリングを取り外すためのスペースを確保するために、リアサスのアッパーマウントボルトを抜いて、車体後部を持ち上げておきます。

 

 

 

ファン・シリンダカウリングの取り外し
リアサスのアッパーマウントボルトを抜いた後、車体後部を持ち上げると、フレームとエンジンの間にスペースができるので、ファンカウリングを取り外します。反対側からシリンダカウリングも取り外します。

 

 

 

プラグキャップ・プラグ取り外し
プラグキャップを取り外して、プラグを抜いておきます。

 

 

 

ヘッドカバー取り外し
ヘッドボルト2箇所を抜いてヘッドカバーを取り外します。

 

 

 

ピストンを圧縮上死点に合わせる
クーリングファンのとジュネレーターカバーの合わせマークをそろえて、ピストンを圧縮上死点にします。この時、カムシャフトのカム山が燃焼室側を向いてない場合は、もう一周クーリングファンを回して圧縮上死点にします(クランクシャフト2周でカムシャフトが1周する為)。

また、カムスプロケットのけがき線が、ヘッド上面とピッタリ平行になりますので、組み立てる際もこの位置でスプロケット(カムシャフト)を取り付けます。

 

 

 

カムチェーンテンショナーアジャスター取り外し
マイナスドライバーで内部のネジを止まるまで回し、プッシュロッドを縮めた状態でロックしてから取り外します。

 

 

 

カムスプロケット取り外し
カムスプロケットにデコンプカムストッパーが共留めされています。ボルト2箇所を抜いてデコンプカムストッパーを取り外すと、デコンプカムも抜き取ることが出来ます。

デコンプカムにはリターンスプリングと樹脂ワッシャーが一緒に固定されているので、クランクケース内に落とさないように慎重に取り外します。また、カムスプロケットを固定しているボルトには緩み止めが使われており、緩める際になめやすいので、ガスケット等と同様に交換する前提で新品を用意しておいた方が良いかもしれません。スプロケットを取り外す際も、カムチェーンをクランクケース内に落とさないように注意が必要です。ちなみに、カムシャフトを交換するだけなら、あとはリテーナーを取り外して、カムシャフトを入れ替えるだけです。

 

 

 

ヘッド取り外し
ヘッドナット4か所を外してヘッドを取り外します。ヘッドガスケットが張り付いて外れにくい場合は、プラスチックハンマーで軽く衝撃を与えながら外します。

 

 

 

◇シリンダ・ピストン取り外し
シリンダも同様に、ガスケットが張り付いているので、プラスチックハンマーを使って取り外します。

写真がありませんが、ピストンは、サークリップを外して、ピストンピンを抜き取れば外せます。ちなみに、クランクケースに残ったガスケットの除去はなかなか面倒です。取り除いたガスケットがクランクケース内に入らないように注意して少しずつ除去します。これで部品の取り外しは終了です。

 

 

 

ヘッド分解

カムシャフトを交換するだけなら、リテーナーを外して入れ替えるだけなのですが、せっかくなので、ヘッドを分解してバルブのオイルステムシール交換とバルブの擦り合わせもやっておきます。

 

ロッカーアーム・カムシャフト取り外し
リテーナーを取り外して、ロッカーアームのシャフトを抜き取ります。これでロッカーアームも外れます。

シャフトが抜き難い場合は、シャフトの内側にM8 P1.25 のネジ山が切ってあるので、同じサイズのボルトをねじ込んで引っ張れば簡単に抜き取ることが出来ます。ちなみに、シャフトの反対側にはネジ山が無いので、組み付け時に向きを間違えないように注意する必要があります。

 

 

続いてカムシャフトも抜き取ります。

 

 

ロッカーアームとカムシャフトを並べると、なんだか人の顔に見えてきました

 

 

激おこ‼

冗談はさておき、作業を進めましょうww

 

 

 

バルブ取り外し
バルブスプリングコンプレッサーを使用して、バルブコッターを抜き取れば、バルブを取り外せます。

 

走行距離にもよりますが、シリンダーヘッドを取り外した際は、オイル下がりを防ぐためにバルブステムシールの交換を、そして圧縮漏れを防ぐためにバルブの擦り合わせをそれぞれ実施しておいた方が良いでしょう。いずれもバルブを取り外さないと作業できません。

 

 

 

カムシャフト交換

カムシャフトはSPタケガワのスポーツカムシャフトに交換です(左:タケガワ、右:純正)。

両者のカムプロフィールを比較してみると…

リフト量
純正カムシャフト
 ・IN:5.0㎜  ・EX:4.8㎜
SPタケガワ スポーツカムシャフト
 ・IN:5.2㎜  ・EX:5.0㎜

バルブタイミング(1mmリフト時)
純正カムシャフト
 ・IN  OPEN:BTDC  4°,CLOSE:ABDC 24°
 ・EX  OPEN:BBDC 24°,CLOSE:ATDC  1°
SPタケガワ スポーツカムシャフト
 ・IN  OPEN:BTDC 10°,CLOSE:ABDC 40°
 ・EX  OPEN:BBDC 40°,CLOSE:ATDC 10°

 

バルブのリフト量は、純正と比べて大きな差はありませんが、バルブタイミングに違いが見られます。簡単に言うと、インテークバルブとエギゾーストバルブが開いている時間が長くなる為、高回転域において慣性効果により吸気と排気の効率が高まり、ピークパワーが向上します。逆に低回転域では効率が低下するため、パワーダウンは免れません。

 

 

 

ピストン交換

ピストンは油漢ハイコンプピストンを使用します(左:油漢、右:純正)。

 

ハイコンプピストンは上部が盛り上がっており圧縮比が上がります。

 

純正ピストンと圧縮比を比較してみると…

 ・純正(K5~K7)ピストン 圧縮比 10.0:1
 ・純正(K9/L0) ピストン 圧縮比 9.6:1
 ・油漢ハイコンプピストン 圧縮比 11.4:1

アドレスV125S(L0)は9.6ですので、11.4まで上がることになります。各社のボアアップキットでは圧縮比12.0を超えるものも有りますので、11.4というのはそれほど過激な設定ではありませんが、熱対策は考えておいた方が良いかもしれません。油温計くらいは付けた方が良さそうですね。ちなみに、水冷エンジンなら純正でも圧縮比11.0以上というのは珍しくありません。

 

 

 

組み立て・バルブクリアランス調整

元通り組み立てて、ヘッドカバーを閉める前にバルブクリアランスの調整を行います。バルブクリアランスの調整は圧縮上死点で行います(カム山が燃焼室を向いている方)。規定値は…

 ・IN 0.05~0.10㎜
 ・EX 0.10~0.15㎜

シックネスゲージを使用して、クリアランスを測りながら調整します。規定値内であっても、タペット音が気になる場合があるので、それぞれ下限値で調整しておくと良いかもしれません。

あとは、ヘッドカバーを閉めて周辺部品と外装を元通り取り付ければ、カムシャフトとピストンの交換は完了です。

 

続く → アドレスV125Sパワーアップ計画2(マフラー交換・燃調)

 

 

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